住宅ローンの基礎知識
不動産を購入する際に、自己資金では足りない場合があると思います。
その時に、住宅ローンを利用することが一般的です。
目次
住宅ローンの金利の種類
住宅ローンを利用するには「金利」がかかります。この「金利」にもいくつか種類がありますので、代表的な住宅ローンをご案内します。
1 固定金利型
固定金利型とは、契約時点で借入期間中の金利が固定されるタイプです。一般的に金利が低い時代に住宅ローンを借りる場合には固定金利型が有利と言われています。
全期間ずっと金利が一律のタイプと11年目以降の金利が当初10年間よりアップする段階金利型のものあり、段階金利型でも、借入時に11年目以降の金利まですべて決まっています。
2 変動金利型
通常、金利が1年に2回見直されるため、金利変動の影響を直接受けます。住宅ローンの金利は、6か月ごとに改定されることが多いです。
一般的には、金利が高い時代に住宅ローンを借りる場合には変動金利型が有利と言われています。
3 固定金利期間選択型
変動金利ですが、1年から10年等の一定の期間内は金利を変動させずに固定させるのが住宅ローン固定金利選択型です。
変動金利型は、ほかのタイプの金利に比べて金利が低いことがありますが、金利が上昇するに伴い、金利負担が重くなるリスクがあります。そのリスクを解消するために登場したのが固定金利期間選択型です。
一定の期間が終了したら改めて固定型か変動型かを選択することができます。
4 上限金利付き変動金利型
変動金利型の住宅ローンですが、今後どんなに金利が上昇しても、特約期間中(当初10年)は上限金利を超えることはありません。いわゆるキャップローンとも呼ばれます。
上限金利を予め定めることによりリスクを軽減することができますが、通常の変動金利型の住宅ローンに比べると金利は高くなることがあります。
住宅ローンの返済方法
住宅ローンの種類は、金利だけでなく返済方法も選択できます。
1 元利均等返済
毎月のお支払額が一定となる返済方法で、返済金額に占める元金と利息の割合が変化していきます。
返済額が一定なので返済計画を立てやすいというメリットがありますが、次に紹介する元金均等返済に比べて元金の当初の返済額が少ないことから、住宅ローンの元金は減りにくいです。
2 元金均等返済
毎月お支払いいただく返済額のうち、元金の額が一定となる返済方法です。元金部分の残高に応じて金利は上乗せされ、返済当初は元利均等返済に比べると返済額が多く、総
返済額は少なくなります。
借入金額・借入金利・返済期間とういう住宅ローンの条件が同じなら、元利均等返済よりも総返済額は少なくなるのがメリットです。
3 元金据置型返済
一定の期間(1~5年間程度)元金の返済を据え置いて、金利部分のみを返済していく方法です。一定期間経過後は、元利均等返済に移行するのが一般的です。
元金を据え置いている間は、住宅ローンの残高が全く減らないので、トータルの返済額は据置期間が長いほど多くなりますので、注意が必要です。
投資用や節税対策に利用されることが多い住宅ローンです。
住宅ローンの借り換え
住宅ローンは長い期間で返済していくものですが、一定の条件を満たしたら、ローンの借り換えも検討することも考えるべきです。
以下の条件を満たした場合には、住宅ローン借り換えを検討しましょう。
1 借り換え後の金利の差が1%以上あること
2 返済期間が10年以上残っている
3 住宅ローンの残高が1000万円以上ある
上記の3つ条件に当てはまらない場合でも、「ローンの支払いが厳しい」、「金利の上昇が予想される」、「優遇金利の期間がもうすぐ終了する」、といった事情がある場合にも住宅ローンの借り換えのタイミングになるかもしれません。
団体信用生命保険について
住宅ローンを借りた人が亡くなった場合や高度障害になった場合に、金融機関が残った住宅ローンを支払ってくれるというものです。団信に加入すると、金利が0.2%から0.3%程度上乗せとなりますが、不測の事態に備えるためにも加入しておいた方が良いかと思います。
また、既に生命保険に加入されていて、住宅資金を賄えるほどの生命保険金額の場合には、団体信用生命保険への加入を見送るか、あるいは生命保険の見直しを考えるといいと思います。
住宅ローンを返済できなくなった場合
住宅ローンの滞納を2ヶ月続けてしまうと、まず住宅金融支援機構や銀行から、「代位弁済手続き開始の予告」という通知が届きます。
失業や病気等で働くことができなくなってしまったなど、住宅ローンを払い続けることができなくなってしまった場合は、司法書士に相談する事をおすすめします。
住宅ローンを支払えない状況が続くと、競売申立てにより強制的に家を出ていかないといけない事もあります。