オンライン登記について
目次
オンライン登記とは
オンライン登記申請は、平成17年に施行された不動産登記法及び商業登記規則により設けられた新たな制度です。
法改正の時点では、様々な問題点があり実務上オンライン登記申請を利用することは困難であったが、オンライン登記申請の減税措置(現時点では既に終了しています。)やオンライン登記申請の特例制度の創設等があり、簡単にオンライン申請をすることができる環境が整ってきました。よって、司法書士が申請する登記に関してはオンライン登記申請の利用率は年々上がっております。
オンライン登記申請
オンライン登記申請とは、インターネットを利用した登記申請の方法です。
法務局に書面として提出する登記申請の方法は区別するために書面申請と呼ばれています。
登記所等の窓口に出向くことなく、自宅やオフィスなどからインターネット又はLGWAN・政府共通ネットワークによる申請、請求や電子公文書の取得が可能となります。
オンライン登記申請は、商業登記・不動産登記のみではなく、登記債権・動産譲渡登記や成年後見にも利用できます。しかし、現時点では商業登記・不動産登記ほど利用がしやすい環境ではないのが現状です。
なお、登記簿謄本の取得もオンライン申請を利用することが可能ですので、後程説明します。
不動産登記のオンライン登記申請
不動産登記のオンライン申請は、平成17年の不動産登記法施行時は利用する人がほとんどいない状況でした。それは、登記申請人の電子署名が必要であることや、添付書類を電子化する必要があったことが原因だと考えられます。
しかし、現在は司法書士が代理人として登記申請する場合には、司法書士の電子署名があればオンライン登記申請はできるようになりました。
不動産売買のオンライン登記申請
不動産登記のオンライン申請と同じく、不動産売買の登記もオンライン申請を利用する人が少ない状況でした。しかし、オンライン申請の特例制度の導入により、従来よりも手軽に申請が可能になり、現在ではオンライン登記申請が不動産売買でも主流になっています。一方で、規模が大きい司法書士事務所では書面申請を中心に登記の申請を行っているようです。
不動産売買におけるオンライン登記申請のメリットとしては、次のとおりです。
1)法務局に行くための交通費・日当がかからない。
2)法務局の審査状況が司法書士のパソコンから確認できる。
3)面申請と比較して審査が早い。
この中で、特にメリットとして挙げられるのが1)です。
遠方の法務局の場合には、交通費や日当だけでも司法書士費用がかかってしまう。オンライン登記申請でしたら、法務局に直接行く必要はなく、補正があった場合には、オンライン申請で行うことができる。不動産売買の登記を司法書士にご依頼される際は、オンライン登記申請を行うようにすると費用も安く抑えられそうです。
商業登記のオンライン申請
商業登記も以前はオンライン登記申請が利用されておらず、会社設立の登録免許税の軽減措置(現在は終了)が設けられてから、普及してきました。司法書士による商業登記の申請の割合は高くなってはいますが、違法な異業種による登記申請もあり、商業登記のオンライン登記申請の利用率が低いのが現状です。
登記簿謄本取得のオンライン申請
登記簿謄本の取得もオンラインにて取得できるようになりました。
オンライン登記簿謄本の取得は、司法書士のみではなく、一般の個人の方もインターネットバンキングさえ利用できれば簡単に取得することが可能になりました。
しかも、オンライン登記簿謄本の取得は、法務局へ行く手間も省けますし、自宅まで郵送をしてくれる制度もあります。
インターネット登記情報
インターネットを利用して登記情報をパソコンの画面上で確認できる有料サービスです。
インターネット上で商業登記簿及び不動産登記簿の状況を確認することができます。
インターネット登記情報は登記簿謄本ではなく、法務局の認証印がありません。したがって、公的機関や金融機関等に証明書としては認められていません。
登記簿の現在の状況をインターネットがあればすぐに確認できることや、登記簿謄本よりもかなり安い点はおいては便利な制度になっています。
インターネット登記情報は個人の方も見ることができますが、審査に少し時間がかかることや、個人の方がインターネット登記情報を利用するためには、クレジットカードが必要となります。